2014年2月 6日 20:36

日常ときどきダイビング。『あまんちゅ!』既刊7巻の一括レビュー【コミック感想】

Birth 天野こずえ画集4

日常ときどきダイビング・コミック『あまんちゅ!』の紹介

「ARIA」の作者としても有名な天野こずえ先生が月刊コミックブレイドで連載中のマンガ『あまんちゅ!』。その既刊レビューを一括で記事にしました。あらすじ程度の記載はありますが、ネタバレなしのレビューです。

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海とダイビングが大好きな元気いっぱい少女・小日向光。
東京から引っ越してきた引っ込み思案な少女・大木双葉。
夢ヶ丘高校に入学し出会った2人の少女達が入部したのは、ダイビング部。 自然豊かな伊豆半島を舞台に、ダイビングを通して四季折々の素敵な日常の幸せを二人で満喫します。

引用元:マッグガーデン・コミック・オンライン - 全部無料で読める! マンガの庭!

第1巻 -「FUN for ALL.ALL for FUN.」-

あまんちゅ!(1) (BLADE COMICS) amazon:あまんちゅ!(1) (BLADE COMICS)

第1巻は光と双葉の出会いから、二人がダイビング部に入部するまでのストーリー。第1話は高校入学の前日譚。自然豊かな伊豆の海を描写したシーンがあり、天野先生の"水"に対する優れた表現力を見てほしい。2話からは高校生活の初日となり、前向きな光と引っ込み思案の双葉、主役2人の性格を対比しながら描かれる。ラストが見事で、光と双葉の「これから始まる高校生活へのワクワク感」と、読者にとっての「新しい物語へのワクワク感」をリンクさせている。
詩的な台詞やキャプションは好みが分かれるけれど、作画の繊細さにマッチした優しい世界観が魅力といえる。また、第1巻の表紙は本作を最もよく表現しており、巻頭のイラストも合わせて必見。

第2巻

あまんちゅ!(2) (BLADE COMICS) amazon:あまんちゅ!(2) (BLADE COMICS)

ダイビング部に入部した二人はお互いをニックネームで呼び合う友達になり、さらにはダイバーにおける相方「バディ」として絆を深めていく。第2巻ではいよいよダイビングの描写がされ、見開きページの美しさは第1巻よりもスケールアップしている。ストーリーは双葉に重きをおいた展開で、序盤では彼女の欠点を、終盤では2話分を使い、心情を丁寧に描く。当巻より登場するダイビング部先輩、双子姉弟の二宮愛、二宮誠も個性的なキャラクターだ。姉妹の登場により、会話に新たなテンポが生まれ、ワイワイと賑やかな雰囲気を感じるようになる。
双葉の回想や、双葉・光の関係性など、以降の巻における伏線が張られている重要な巻だ。

第3巻

あまんちゅ!(3) (ブレイドコミックス) amazon:あまんちゅ!(3) (ブレイドコミックス)

第3巻は1話完結の短編的なストーリーと、終盤の双葉が初ダイビングする話が中心となる。本作のキャッチフレーズが「日常ときどきダイビング」である通り、『あまんちゅ!』はダイビング中心のマンガではない。日常の些細な幸せや発見を通して少女達の成長が描かれている。とはいえ、ダイビングに期待した人はがっかりすることはないだろう。第3巻終盤に描かれるダイブシーンは、これまでの繊細な印象を覆す迫力ある海の姿を見せてくれる。
また、天野先生は大の猫好きであり、本作にもちょっと変わった猫が2匹登場する。3巻の中盤、短編で登場するので期待してほしい。

第4巻

あまんちゅ! 4 (BLADE COMICS) amazon:あまんちゅ! 4 (BLADE COMICS)

季節は夏。『あまんちゅ!』では四季折々の自然描写にも注目してほしい。うだるような夏の日差し、教室のカーテンを舞い上げる夏の風を感じることができるはずだ。第4巻では光が中心となり物語を動かしていく。彼女の底抜けに前向きな姿勢が、ほかの登場人物に伝染していく様子は見ていて爽快感を覚える。
4巻の終盤にて、第2巻、双葉の回想で張られた伏線を回収する。その話では、「友達にできた、(私が知らない)新しい友達」という、ちょっとした気持ちのささくれが物語のスパイスとなっている。天野先生はこうした心情の機微を描くのが上手いので、共感する覚えのある人にとっては心に響く話だろう。

第5巻

あまんちゅ! 5 (BLADE COMICS) amazon:あまんちゅ! 5 (BLADE COMICS)

第4巻に続き夏を満喫するダイビング部の面々。ちょっと怪談的なストーリーなども登場する独特な雰囲気を持つ第5巻。天野先生はたまにこうした怖い話を作るとファンの間では有名だ。終盤では花火大会の話があるなど、いかにも夏らしい。 しかし、5巻の本質は中盤、伊豆は大瀬崎への合宿編にある。双葉の心情に変化がおこり、一歩成長しようとする。引っ込み思案な性格をコンプレックスに思う双葉が、前向きになったり、やっぱり怖気づいたり。
そのぐずぐずした姿やストーリー展開を好まない人もいると思う。それでもこの話、第28話「お見送り」のラストは、大木双葉というキャラクターが人格を宿すシーンだ。私は既刊のなかで第5巻が最も良いと思っている。

第6巻

あまんちゅ!(6) (ブレイドコミックス) (BLADE COMICS)amazon:あまんちゅ!(6) (ブレイドコミックス) (BLADE COMICS)

第6巻は全てが短編で構成された巻となっている。(実際は中盤に2話構成のストーリーがあるが、話の性質上短編的な扱いでよいかと。)二宮姉弟が主役となる話が3編、光が主役の話が3編といった構成。話数単位の傑作を上げるとしたら、第33話「奇蹟の海」は間違いなく全巻全話中トップ3に入るだろう。さらに第36話『温泉丸』に関してはコミカル系ストーリーとして人気が高い。
ある意味この巻に『あまんちゅ!』らしさが詰まっていると言えるので、試し読みにオススメだ。尚、ダイビング部顧問の火鳥先生については天野先生の旧作と繋がりがある。

第7巻

初回限定版 あまんちゅ! (7) (MGCスペシャル) amazon:初回限定版 あまんちゅ! (7) (MGCスペシャル)

現在発行されている最新巻。第6巻には初秋だった季節はめぐり、7巻では秋本番となっている。四季折々の自然描写が楽しめる『あまんちゅ!』は健在で、序盤2話はゆったりとした雰囲気。また、以前の巻でドライスーツを新調することになり、そのお披露目が7巻にて行なわれる。中盤にあるダイブシーンは、展開的に今までのくり返しという印象がある為、今後の巻に向けた伏線のように見える。
コミカルな短編、第41話「ハロウィン」が収録されている他、表紙を飾る二宮姉弟の魅せばである第42話「秋祭り」も必見。既刊の中では最もバラエティに富んだストーリーが収録されている。

絶版後記

6巻7巻は以前レビュー記事書きました。ただ、「ARIA」と天野先生の絵が好きな私として、『あまんちゅ!』は既刊のレビューを全てやっておきたかったのです。

また、好きなモノを紹介する練習として、各巻400文字程度でネタバレなしという縛りのレビューをやってみた次第です。である調の文章でちょっと硬かったかもしれませんね。

読もうか迷っている人とか、優しい雰囲気のいいマンガ探してる人は是非に。(そのうちアニメ化されると思うしね。)

8巻が5/10に発売予定です!!!!!!

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