2014年3月12日 23:10

呼び名を変えることは人間関係で大切な瞬間 -『あまんちゅ!』1巻の光と双葉-

あまんちゅ!(1) (BLADE COMICS)

友人の名を初めて呼んだ瞬間。覚えてますか?

特に親しい友人の名前を最初に読んだとき、なんと呼んだでしょう。

「さん」や「くん」、「ちゃん」づけだったか、最初から呼び捨てだったでしょうか。そして、今はなんと呼んでいるでしょう。自然にあだ名を使う用になったかもしれませんし、下の名前で呼ぶような間柄になったかもしれません。

もちろん、苗字呼び捨てや「ちゃん」、「くん」、「さん」を付けたままだってあるでしょう。呼び名自体はお互いの親密度を現す指標にはなりません。

しかしながら、その名前を初めて呼ぶことになった瞬間は、その人との関係においてとても重要な瞬間だろうと思います。

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「呼び名が変わる過程」だけで物語が1本できる

私の好きな漫画に『あまんちゅ!』(天野こずえ/第1巻/2009年刊)があります。この第1巻では、作品内のメインキャラクターである「小日向光」と「大木双葉」が出会います。

色々な「なれそめ」話の中でも上手かったのは、光と双葉が互いの呼び名を変えた瞬間が描かれていること。


おでこにある二つの眉毛が薄いから
点々を取って「てこ」

すっごくカワイイあだ名
これ決定ね!

引用元:あまんちゅ第1巻/P83/光の台詞

積極的な性格の光は、引っ込み事案の双葉に対し、かなり強引にあだ名を付けて呼び始めます。あんまりなセンスなもので、はじめ双葉は「却下」します。

それでも双葉と友達になりたい光は、積極的に双葉のあだ名を呼びかけるんです。どっちか一方が多少強引なくらい、相手への興味を表明する。

そして、お互いにある程度の好意があれば、呼ばれ続けている側も反応します。「慣れ」ていくわけです。双葉は光のことを「小日向さん」と呼びつづける反面、「てこ」と呼ばれることを嫌がらなくなります。

さらには、部活の顧問(ダイビング部:火鳥先生)が光を「ぴかり」とあだ名で呼んだとき、こんな風にモノローグが入るのです。


火鳥先生・・・
小日向さんのコト
「ぴかり」って呼んでいるんだ

引用元:あまんちゅ第1巻/p153/双葉のモノローグ

本当は、双葉も光をあだ名で呼びたいのにタイミング逃しちゃったわけですね。まぁ、紆余曲折(?)あってお互いがあだ名で呼び合える仲になるんですが......詳しくは本編を読んでみてください。

この作品のポイントは、お互いの呼び名が変わる過程を、コミックの半分以上を費やして表現しているところにあります。呼び名が変わる瞬間ってそれだけで物語にできてしまうんです。

絶版後記

あだ名で呼び合うことではなく、気安く呼び合える仲とでも言いましょうか。

最初から同じ呼び名である場合、いつからか分からない程ゆっくりと慣れていくでしょう。それでも、ある日の一言を交わした時に(「おはよう、〇〇」ぐらい気軽なものでも)その瞬間が人間関係のスタートなんだと思います。

その瞬間を覚えておくこと、思い出すことはとても大事なことではありませんか?

初めて会った時ではなく、初めて親しみを込めて名を呼んだ瞬間。それが人との出会いだと思います。

明日ごろから学校の卒業式があるようです。しばらくは別れの季節ですね。

でも3月が終わったら4月がやってきます。大人になればなるほど難しくはなりますが、新しい出会いがある時はワクワクしていたいものです。

親しみを込めて呼び合える誰かと出会えますよう。

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