2015年1月26日 00:56

「ボッコロの日」と4月23日~25日の薔薇が関連する世界の風習

ARIA 3 (BLADE COMICS)

ヴェツィアには「ボッコロの日」と呼ばれる行事があります。bòcoloはヴェネツィア方言で(バラの蕾)を意味し、「Il bocolo di san Marco」/「聖マルコの饗宴」(毎年4月25日)が開催されます。

Festa di san Marco - Google 検索

この行事では「男性が愛する女性に一輪の紅い薔薇を贈る」風習があり、ヴェネト州の最も大切な祝祭の1つとされます。

*愛する女性は妻、母、娘、祖母、恋人、友人と、全ての女性。

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複数の物語が絡み合った祝祭

4月25日(ユリウス暦 / 正教会では5月8日に相当)はヴェネツィアの守護聖人・聖マルコの記念日(記憶日・聖名祝日)にあたります。

そして、「ボッコロ」/ 薔薇の蕾は幾つかの伝説と関係があります。1つ目は若い男女の悲恋のお話。


864年ヴェネツィア共和国・第14代目元首(ドージェ)に就任した「Orso I Partecipazio」の娘「マリア(Maria)/愛称:Vulcana」と、吟遊詩人の「タンクレディ(Tancredi)」という若者が主人公。

ヴェネツィア共和国の最高権力者の娘マリアと、若く勇敢で美しい青年タンクレディは互いに愛し合っていた。しかし、父「オルソ」は身分階級の違いから2人の結婚を認めなかった。

タンクレディはトルコ軍との戦争で手柄を立て、地位を上げようとヴェネツィア軍に入隊。彼は活躍し、その名声は高まった。その頃、マリアはヴェネツィアで彼の帰りを待っていた。

ある日、有名なフランク人騎士オーランドがヴェネツィアに到着し、勇敢な吟遊詩人がスペインのアラビア人と戦い、死んだことをマリアに告げ、オーランドはタンクレディから託された薔薇を渡した。

マリアはタンクレディの血に染まった薔薇を受け取った。それは4月24日、「聖マルコの饗宴」の一日前であった。マリアは彼の部屋に引きこもり、翌日4月25日「聖マルコの饗宴」の日、血染めの薔薇を胸に抱いた姿の遺体で発見された。

この後、一輪の紅い薔薇は永遠の愛のシンボルとされるようになった。


【参照リンク】
25 Aprile, Festa di San Marco e del Bòcolo ? Veneti - Blog - Repubblica.it
Il Bocolo di San Marco - Venice Wiki, la guida collaborativa di Venezia
イタリア、とりわけヴェネツィア 2011年01月22日
ボコロの日、聖マルコの日、4月25日/ある日のヴェネチア | ベネチア イタリア ニュース

以上がマリアとタンクレディの伝説。2つ目は愛と和解の物語。


サンマルコの墓の脇にあるバラの茂みから始まる。ヴェネツィアに聖マルコの遺骸を持ち帰った商人の1人、バジーリオはこのバラの木を贈呈された。

彼のバラが植えられた土地は、バジーリオの2人の息子に半分づつ継承された。しかしバラの木は境界線をまたいでおり、兄弟はバラの木を巡り仲違いしてしまった。

長く家族の確執が続き、家族関係の悪化と共にバラの木は開花することを止め、しおれてしまった。

数年後の4月25日「聖マルコの饗宴」の日、それぞれの家族の少女と少年がバラの木の葉や、枝を横切って視線を交わし一目惚れをした。するとバラ園は2人の愛が高まるのに伴い、紅いバラが咲いた。

少年はその1つを手折り、少女に贈った。それからというもの2つの家族は和解した。


【参照リンク】
Festa di San Marco - Explore Venice
St. Mark's Festival in Venice

このハッピーエンドの物語も「聖マルコの饗宴」においてバラを贈る風習の元ネタになっています。

4月23日~25日にバラと関係する風習

一方スペイン・カタルーニャ地方にもバラを贈る風習がある。「サン・ジョルディの日」と呼ばれ、こちらはキリスト教の聖人・聖ゲオルギオス(サン・ジョルディ)の聖名祝日(ゲオルギオスの日)4月23日に行われます。

龍と戦う若き騎士、サン・ジョルディの伝説は以下のようなもの。

  • 獰猛な恐ろしいドラゴンがおり、住民たちは毎日1人ずつ生け贄を捧げていた
  • 王は悲しみつつも、自分の娘である姫を生け贄として捧げることになる
  • お姫様が餌食になろうとするその時、騎士サン・ジョルディが現れ激闘の末ドラゴンを倒す
  • ドラゴンの血から美しい薔薇が咲き、サン・ジョルディは最も美しい薔薇を手折り姫に贈る
  • 紅い薔薇は永遠の愛のシンボルとされる
  • 【参照リンク】
    サン・ジョルディの日
    サン・ジョルディの伝説
    サン・ジョルディの日 - Wikipedia

    またサン・ジョルディは愛と知性を象徴すること、彼の命日4月23日がスペインの文豪セルバンテスの命日と同じだった(シェイクスピアも同日)ということから、本と花を贈る風習になったそうです。

    1996年にユネスコより、4月23日は「世界本の日」として指定されています。

    イギリスの守護聖人でもあるようで、ゲオルギオスの日(聖ジョージの日)として祝われ、かつては襟に赤いバラを差したそうです。

    【参照リンク】
    世界図書・著作権デー - Wikipedia
    世界本の日 サン・ジョルディの日::日本書店商業組合連合会「本屋さんへ行こう!」

    絶版後記

    私の好きなマンガで、天野こずえ先生の代表作「ARIA」の第3巻にて「ボッコロの日」が描かれています。

    アニメは第2期「ARIA The NATURAL」8話「その ボッコロの日に・・・」にて放送されています。

    元ネタを「サン・ジョルディの日」だと勝手に勘違いしていました。たまたま実際の伝説としてあったことに気づいたので調べてみた次第です。

    どうも日本語の記事であまり情報がなく、イタリア語やら英語の記事をGoogle翻訳に突っ込んで解読しました。

    伝説と言っても、マリアとタンクレディの話は実在の元首が出てくるので実話っぽいですね。色々尾鰭がついてそうですが :)

    戯言カテゴリの他の記事はこちら。

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