2016年10月 7日 22:13

絵の上達工程についての覚書き。補足およびその反応に対しての感想。

2016年6月のツイートで絵の上達工程について図解したものをポストした。自分のたどった道を図解したものであり、一般論として作ったつもりはなかったが、共感を呼んだようで10月現在までに1万RT1万8千Likeをたたき出している。

*以下記事くっっそ長いのでご注意されたし。

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冒頭でも書いた通り自分の辿った工程であり、それが誰かの参考になればという程度のものであることを再度認識願いたい。その上で、補足の説明や他者の反応に対しての感想も記述しておく。

重ねて書くが、私の通ったあまり効率的でない上達の工程であり、効果的な上達の方法論というわけではない。そういった知識については技術書を読むなり、学校または有志による教育機関や師から得ていただきたい。

まったくの無心得から初心者への道・第一期

1番目の「かけない」について、たぶん私の場合小学生ごろだったと思う。「ワンピース」の模写・トレスを落書きしてたので、その後の基礎になっていたと思う。もちろん「ワンピース」のデフォルメを真似た為にデメリットはあった。基礎がない状態でのデフォルメ習得は応用が利かなくなるというアレだ。

初期のルフィは実に単純な線と点で構成されたシンプルな顔だった。ゆえに記号を覚えるのは早かった用に思う。問題は配置だ。ばっくりと、顔に十字線を描いて位置を決める。ぐらいの知識しかなかったが、確か方眼用紙でサイズを測って覚えたりした気がする。よく覚えていない。そうして記号と配置を合成して出来上がった顔は一応ルフィらしい顔になっていた。これで初心者となった。

Twitterの反応で「私まだ初心者だわ~」という人が結構いた。実際そうである人も多いだろうが、中には十分上手い(指標として適切か微妙だがPixivでランキング入りしたりTwitterでLikeが100を超える)人もいた。そういった人達いわく、「顔の向きなどでパーツ配置を迷う。」、「パーツが分からないことだらけ」だった。

この図の工程は一旦先に進めば後ろは振り向かないというものではない。ある程度描いてれば分かるはずだが、パーツの良し悪しもパーツの配置も永遠悩むものだ。上手くなれば精度高く描けるようになる。というだけであって、目が肥え、腕が上がり、趣味が変われば当然また舞い戻って悩むはずだ。

それらにアンテナが反応している時点でその悩みは初心者のそれとは別物だ。無駄に自己評価を下げたり(本気かどうかはともかく)卑下して初心者面をする必要はない。

初心者から長く辛い時期への道・第二期

ここまでは見本さえあれば、技術的な情報を集めなくとも到達できるだろう。次の段階は立体感の意識となる。キャラ絵の練習をし始め、それなりに上達方法をネットや書籍で調べると、まず立体の話が出てくる。

キャラを円柱や立方体などの単純な立体に落とし込むという方法論である。身体に比べて一見立体を必要としないように思えるデフォルメ済みのキャラ絵顔も、実際は立体の知識・意識がないとのっぺりとしてしまう。

図解では初心者がまずそれに気づくであろう髪の毛部分を強調している。「立体感出てくる」として描いてある図は多少髪の毛を立体的に描いてあるのが分かっていただけるかと思う。

この段階で結果として起こりやすい現象として、その他顔パーツの立体感にはまだ手が回らず、立体感のちぐはぐな顔が出来上がる。実際に上手くはなっているので本人としては手ごたえを感じる時期となる。一方で他者から見ると劇的な変化とは認識されず評価が特段伸びることはない。

この時期は他人評はさておき、自身の成長は感じるので描くこと自体は楽しめる人が多いはずだ。ゆえに量が増え、それにより安定感が出てくると、第一期の時点で覚えたパーツの改善が始まる。

多くの場合はタッチが増えたり、好きな作家を真似たパーツの形や配置を取ろうと四苦八苦し始める。

Twitterの反応を見る限り、この時期の人達は自己評価が安定しており、ここから先の「長く辛い」という脅し文句に戦々恐々としつつも頑張ろうという心持の方が多いように思う。

長く辛い時期とその脱却・第三期

この工程図解において最も共感された部分であろう「長く辛い」時期にはいる。この時期、起こりうるのは絵柄という言葉への過敏な反応である。

過敏な反応とは絵柄に悩むということだけでなく、一直線に自信の信ずる絵柄に猛進する人も含む。どちらも決して悪いことでは無く。個性の形成初期といえる。後々、影響を受けた作家は誰か?という質問をされた時、まっさきに思い浮かぶのはこの時期に手本とした作家だったりする。

この時期の脱却方法としては各人にあった方法があり、一概に言えない。参考までに私の場合はどうだったかというと、現在一線で活躍されている方々の絵で好きなもの、好きなアニメ、ゲームのキャラクターなど、とにかく広く好きを集め、分類し、共通点を探す。

方向性がバラける場合はどちらかに絞る決断をする。まず一方を上の段階に習得できれば、追々もう一方の好きも習得しやすくなる。ここは割り切ってしまった方が良いと思う。

選ばれた方向性が見えてきたら、具体的に。言葉なり絵なりで書き出しておく。その後はその方向性に合致するよう、精度をあげる為の反復練習となる。

何しろこの段階は技術力以上に意識することに重点を置くと脱却しやすくなると思う。そのため沢山見るのが手っ取り早い。意識的に見る量を増やし、自分の好きを意識する回数を増やし、自分ならどう描くか、描きたいかを考える時期ではないか。

Twitterの反応では、この時期にいる人々の叫びがとても多かった。脱却後の「今っぽさが出てくる」に噛み付く人も多くいた。その点については第四期にて記述する。

目に見えて上達する時期から中級者へ・第四期

第三期を抜ける段階で変わるのは統一感やバランスの精度アップだと思う。前述したように、自分の好きを突き詰めたことによる統一感、精度の向上が纏ってくると第四期に入ったことを実感できるように思う。

この時期に以前の作品を見返すと、技術以上に好きの突き詰めが足りない部分に目が行き、自分の過去作に突っ込みが増える。

こうした統一感、技術の向上が相まって、他者から見ても、明らかに上達したと評価されやすい。自己評価や自意識は人それぞれだが、この時期は自己と他者の評価ギャップが比較的小さく、第二の安定期となりやすい。

Twitterの反応にて多かった「今っぽさが出てくる」について、まず「私の絵柄に今っぽさは関係ないし」というパターン。たとえば、手塚治虫氏の絵柄を完コピするのが目的で絵を描いている場合は、その主張は最もだと思う。その目的は何かを足したり引いたりしてはいけない類だからだ。

他にも古典絵画、伝統工芸習得のような職人的方向性の場合は、そもこの図解においては想定できていない。あくまでクリエイター路線(何か安っぽい言葉で申し訳ないが...)で書いたものである。

問題は「今っぽさ」を単に「流行」と捕らえた方も相当数いたことである。そういった方の主張は「流行に乗っかるよりオリジナリティを大切に」となる場合が多い。

くだけた言い方を使ったが「今っぽさ」は現代性という意図で使用した。絵に限らず現代の表現は流れが速く、ほんの一二年であっという間に変わっていく。それらは確かに流行であり一過性のものであろうが、ここで言いたかった現代性とはもう少し引いた視点でのものだ。

一本の本流も良く見れば支流の集まりなのが表現の世界だ。そしてその支流にはそれぞれが蓄積した現代性がある。流行Aは1年で廃れたがその影響はその後引き継がれ、流行Bは2年続き、流行CによってBが完全否定され消えたとする。個々の流行を追うのは大変なことだが、ほとんど全ての人が意識的ないし無意識的にそういった蓄積を受け取りながら、自身の表現ではAが消えBはわずかに残るなど、独自に開拓していくものだ。

当然、オリジナリティもその現代性を汲んだその当人の解釈や好みを反映しながらにじみ出るものであるはずだ。なにより現代性のないオリジナリティを見て、自分自身がそれを魅力的に思えるのかどうか疑問である。

また、「この辺で同人をはじめるのもオススメ」と書いたことに対し、「もっと前から初めてもいいじゃん...」とか「ここまで行ってからじゃないと駄目なのか...」という反応が多々あった。「オススメ」という言葉のニュアンスが通じないことに驚いたが、同人の開始時期など好きにすればいい。

スーパーの惣菜コーナーで「オススメ」とPOPのある品物以外を「この惣菜を買うのは非推奨です」と捕らえる人はいないと思うのだが。

ただ、絵描きのなかにはメンタル面で打たれ弱い自覚の持ち主が多い。上記した通り、第四期は安定期である場合が多くメンタルに余裕ができやすい上、他者評価の上昇で慢心しなければ在庫リスクが低いということで同人開始しやすかろうという意図があった。

中級者から中上級者へ

ここまで来るともうあとは各人研鑽の日々となるわけだが、その前にもう一度根本的なパーツの問題にぶちあたることがある。例えば風、ゆるくウェーブした髪が肩で溜まる様子などなど、覚えたパーツを周囲の状況にあわせて立体のまま適宜変形するという必要性が高まる。

ここに到達する以前から気にすることではあるが、ここにきて表現力の向上に直結してくる。

その後分岐を儲け、「修羅道」「鬼畜難易度」などと大仰に書いたが、どっちにしろ研鑽の日々ですよという程度である。自身の好きを追求するとどちらなのか意識をする時期と思われる。

この部分への反応として「どっちもやるんじゃないの?」とか「どっちも手を出している」「どっちもやれる方がいい」というのが多かった。百も承知である。

というか、ほぼ間違いなく中上級~上級の世界ではどちらも一定の必要に迫られる。ここまで来た人達は修練の効率として、ある程度の期間強化的に取り組む人が多かろうと思う。ただ、上に行けば行くほど、どちらか一方にウェイトをかけることになるのも事実だ。

絶版後記

ここまで読んだ奇特な方、ありがとうございます。

こういった持論展開をすると噛み付かれることもあり、面倒くさいので大抵はネットに上がらない。それでも最近は有名アニメーター、イラストレーター、漫画家など先生方が教えを公開してくださっているのでありがたいですね。。

文面の都合上偉そうな感じになってますが、当人もまだうんうん唸りながら練習中の身でございます。頑張りましょう。。

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