日之下あかめのサイト

Kindleインディーズ漫画を利用した所感

日之下あかめです。

日頃は商業で漫画を描いていますが、最近、個人活動として描いていた漫画をKindleインディーズ漫画へ投稿してみました。今後やってみようと考えている人向けに所感を記事にしておきます。

該当商品はこちら。

こっちは商業です。

著:日之下あかめ
¥336 (2024/04/16 15:21時点 | Amazon調べ)

すぐ埋もれる

Kindleインディーズ漫画はAmazon内部で展開されているのですが、ランキング以外の掲載と検索が貧弱なため埋もれやすいです。

さらにそれを理解した投稿者の方々が露出機会を増やす為に話数単位でアップロードしています(元々そういう設計のサービスだと思います)。

当然そうなると検索一覧や新着には同じサムネイルがずらっと並ぶこととなり、さらに新着の埋もれは加速し、検索は息絶えてしまいます…。

これはAmazonのサイト構造上仕方ないので、Amazonが何か改善してくれることを祈るしかありません。

読者さんに外部SNSで見つけてもらっておく

上記の通り現状の環境ではKindkeインディーズ漫画だけで新規に読者を獲得しようとしても難しそうなので、Twitterやpixiv、note、インスタグラム、ニコニコ静画あたりで、事前に読者さんに見つけてもらっておいた方が良いでしょう。

私の場合はPixivFANBOXで最新話を更新して、一月遅れでPixivへ投稿。を繰り返し、

最終話が出来上がったタイミングで全三巻としてKindle版をリリースしました。

今作の制作中に話数更新をKindleインディーズでは行っていません。Kindle版を作ることにしたのが制作終盤になってからだった為です。

先読みとして投稿するのはありかも

私の場合はFANBOXで支援頂いている方々へ向けて、先読みを公開していたわけですが、最初からKindleインディーズにも投稿するなら手順の最適解としてはたぶんこんな感じ。

  • FANBOXなど、支援者様向けのサイトに最新話を更新。
  • Kindleインディーズ漫画に最新話を(一月)遅れで更新。「FANBOXで最新話更新中」とでも宣伝。
  • PixivやTwitterなどのSNSに(二月)遅れで最新話を一般公開。「FANBOXで最新話」「Kindleインディーズでは一話分先読み」など宣伝
  • 最終話を一般公開し終えたら、おまけページでもつけて、まとめ完結版としてKindleインディーズに公開。

外部SNSを販促媒体として考えると、そちらで露出機会を増やすほうが見つけてもらいやすいのではと思います。あと完結版を出すことで、話数単位だと手を出しづらいという人が読んでくれる機会が増えるので作る意味はあると思います。

KindleUnlimitedかKindkeインディーズか

KindleUnlimitedとは、基本的に商業出版物と同列に値段を付けて販売。ただし、KindleUnlimitedというサブスクリプションサービスの登録者は無料で読めて、読まれたページ数分のロイヤリティが著者に入るよというシステム。

こちらの方が有名かと思います。他にも一次創作同人誌を出版している方が結構います。

著:Perico
¥750 (2022/11/26 11:52時点 | Amazon調べ)

まず私の今作は支援者様向けに描いていた「ペン入れをしていない、せいぜい清書鉛筆書きクオリティの漫画」が収益化したら良いなと思ってKindkeインディーズ漫画に投稿しました。なので、最初から商業販売物と同列で掲載されるKindleUnlimitedへの販売は考えていませんでした。

この手の話題を検索すると先人の知恵としては

「安売りをするな。ファンは買ってくれるし、読まん奴は無料でも読まん」

みたいな感じなので、「ちゃんと作画した創作同人漫画をKindleで販売する」みたいなときはKindkeインディーズではなく、KindleUnlimitedを利用するというのが良いんじゃないでしょうか。

データさえ作っちゃえばメロブやとらのあな、DMMにDLSiteなどと同じ感覚で電子出版が可能なんだということです。ただし、併売時の利率は30%ぐらいなのでそこはご注意下さい。

また、他の電子書籍サイトにも出版したいという人は、代行してくれる企業があります。

漫画家のための電子書籍配信サービス「ナンバーナイン」

私は利用したことがないので、利用者の声などは検索してみてください。

同人誌を作るタイミングを見失った件

今回自分がやっていて最大の失敗だったと思ったのはこの部分です。

ペン入れして製本依頼してイベントに参加して…という面倒事をしなかったのは商業と並行しての作業だったため当然と言えば当然なのですが、せっかくコミティアもあるのにちょっと後悔しています。

いつ作るべきだったかという話をするなら、年間の同人誌即売会に自分が出るタイミングに合わせて小まめに刷っておくのが良さそうです。

ただ、ぶっちゃけた話をすると「一次創作の同人誌がそんなに売れるとは思うなよ」というところに行きつくので、現物制作は趣味的な要素が強いかとは思います。

それでも自分や熱心な読者さん向けに現物があるのは良いことです。

私は制作終盤になってから、最終話の完結版におまけ漫画を十数ページなりつけて、同人誌化するというのを想定したんですが、今作を完結版まで描いた後だと、300Pくらいの物量を一括で同人誌化するなんてのは、資金が潤沢でもなけりゃ無理でした。段ボールリスクは本当に怖い。

ただ、記念品を作るだけなら1冊からでも刷ってもらえるpixiv FACTORYというサービスがありますので、こちらで作るのも手だと思います。

pixiv factory

制作自体はクリスタを持ってれば簡単

Kindle用のデータは.mobiという形式です。普段クリスタEXを利用している人であればファイル形式の変換はクリスタがやってくれます。クリスタ様様。出力方法は公式をご覧ください。

Kindle向けコミック作成ガイド【EX】 “便利な機能 #7” by ClipStudioOfficial

他に出力の疑問点やKindle出版の為の登録などの解説はこのあたりを読まれるといいです。

Kindle インディーズマンガに発表して1年が経ったので収益や魅力をご報告します

Kindleで個人出版!Kindleインディーズマンガの魅力・収益・出版方法を詳しく解説

Kindleインディーズマンガストアってどうなの?

最後に

話がとっちらかっちゃってすみませんでした。

頑張って描いた漫画を無料で公開するというのに抵抗を感じる制作者さんもいると思いますし、自分もどちらかと言えばそうです。さらに、まだ分配金がいくらになるか分かりませんが、Kindleインディーズの為に作るとしたら割に合わないと思います。

活動のついでにやって、巨大企業から自分に金を払わせることができる。くらいに考えれば、まぁいいんじゃないでしょうか。

Kindleインディーズは分配金を受け取るという形なので、投稿者が増えたら取り分が少なくなるのか、あるいはAmazonが増資して皆に今まで通り払われるのか分かりません。

Amazonの胸三寸なサービスではあるので、これで生きて行こうみたいな無謀なことは考えない方が良いという事です。

それでもPixivに素敵な漫画を上げている作家さんが、pixivのサイトPVに貢献しているだけで済ますよりかは、むしろ、作家さんが各種サイトを利用してお小遣い生成できるようになったらいいなぁと思います。

sns icons